
ファクタリングは銀行融資などに比べて簡単な手続きでスピーディーに資金調達することが可能です。
ただし、売掛債権の譲渡と高額な金銭の支払いが行われるため、必要書類を揃えて契約手続きを進める必要があります。
条件によっては手続きが多くて入金まで時間を要するケースがあるので注意してください。
ファクタリングにおける手続きの流れを解説いたします。
ファクタリングの手続きは2社間と3社間や債権譲渡登記の有無など契約内容によって大きく変わります。
それぞれの違いと手続きの大まかな流れをまとめました。
ファクタリング会社によって必要な書類が異なりますが、以下の書類提出を求められるケースが多いです。
過去の取引履歴が分かる通帳コピーの提出を求められることが多く、まずは少ない書類で仮審査を進められる場合もあります。
利用したいファクタリング会社のホームページを確認して、事前に必要書類を揃えておきましょう。
分からないことがあれば問い合わせをするなど、確実にゆとりをもって必要書類を準備しておくようにしてください。
2社間ファクタリングは売掛先に通知をしない方法になるため、ファクタリング会社と利用者側による手続きで完結します。
3社間ファクタリングは売掛先に通知をして同意を得る必要があります。なお、債権を譲渡することは法的に何も問題ありません。
稀に譲渡禁止特約が付いた売掛債権がありますが、2020年に民法が改正されて譲渡禁止特約がついても、原則として債権譲渡が有効になりました。
3社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が用意した書面を売掛先が署名・捺印して提出するルールが一般的です。
基本的に利用者側が売掛先と直接やり取りをして必要書類を揃えますが、一部のファクタリング会社は売掛先とのやり取りも代行してくれます。

債権譲渡登記は、売掛債権を譲渡されている旨と優先して回収する権利を主張するための制度です。
法務局での登記手続きが必要になり、債権譲渡登記は全国にある管轄の法務局ではなく、東京法務局民事行政部債権登録課が提出先になります。
オンライン手続きも可能になるため、多くのファクタリング会社がオンラインで債権譲渡登記をしています。
必要書類は印鑑証明や登記簿謄本など、ファクタリング契約で必要な書類と同じものが多いです。
債権譲渡登記がある場合は、印鑑証明や登記簿謄本の必要枚数が増えるケースがあります。
債権譲渡登記が必要な場合は即日での資金調達が難しいです。
スピード対応に強いファクタリング会社でも3~5営業日ほどが入金時間の目安になります。
債権譲渡登記をした場合、取引が完了したら抹消することが望ましいです。
抹消登記は利用者が司法書士に依頼して行う必要があり、譲渡人と譲受人それぞれの同意が必要になります。
債権譲渡登記は2社間ファクタリングを選択した場合に求められることが多いです。
2社間ファクタリングで債権譲渡登記なしの場合は、簡単な手続きになるためスピーディーな資金調達を実現させやすいです。
昨今はクラウドサインなどを活用したオンライン完結契約を導入するファクタリング会社が増えています。
オンライン手続きのみなら郊外から東京のファクタリング会社などを手軽に利用できます。
対面契約の場合は来社か訪問をする必要があり、来店不要の場合でも郵送でのやり取りが必要な場合は時間がかかるので注意してください。
ファクタリングの手続きをする一般的な流れは以下の通りです。
ファクタリング会社が用意したフォーマットで必要事項を送っておくとスムーズに手続きを進めやすくなります。
まずは電話やメールで気になることを事前に相談しておく方法もおすすめです。
送信した内容や提出した書類に基づいて審査が行われます。
昨今はAIを活用してスピーディーに審査してくれるファクタリング会社も登場しています。
条件に納得したら契約です。
オンライン契約の場合でもクラウドサインなどで簡単に契約できる場合があります。
重要事項などの説明をしっかり聞いておくようにしてください。
3社間ファクタリングの場合、契約の時点で売掛先の同意書などを提出します。
シンプルな契約内容の場合は契約書を交わして必要書類を全て提出していれば、最短即日で売掛債権の買取額を入金してくれます。
債権譲渡登記や郵送での書類提出が必要な場合だと、契約から入金まで1週間前後待たされるケースが多いです。
2社間ファクタリングで売掛先から利用者に直接支払いがあった場合は、速やかにファクタリング会社へ支払いをしないといけません。
3社間ファクタリングでは、売掛先からファクタリング会社へ直接支払いをする場合があります。
以上で全ての手続きが完結しますが、債権譲渡登記をした場合は抹消登記をするとよいでしょう。
毎月継続してファクタリングを活用するパターンも多いです。
詳しい手続きの流れは条件によって異なるので、利用するファクタリング会社からの説明をしっかり聞いておくようにしてください。





